完投135球についてなおも考える。私は「上」では中6日について「中6試合」と解釈したが、実際のペナントレースは週に1回休みがあるので、「中6試合」ではなく「中5試合」になる。ただ、あえてそうしたのだ。
「中5試合」であれば、開幕戦に先発した投手はシーズンでは24試合に登板し、216イニング、3240球を投げることになる。PAPは102万9000になる。
中6試合の21試合2835球、PAP90万375でも相当なものだが、中5試合では、さらに現実的ではない。

私は「中6試合」で桑田真澄が言う「完投135球」が可能な条件を考えてみようと思う。

1.チームとしては先発投手が6人揃うこと。中5試合でローテを回すためには、これが条件となる。

2.平均15球で完投できること。これは至難の業だ。
昨年の規定投球回数以上の投手の平均の球数

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15球以内で投げることができたのは大野雄大だけ。15球台も14人のうち7人しかいない。桑田コーチの求める投手になるには、まず無駄球を投げないようにならなければならない。

3.そのうえでシーズン2800球を超えて楽々投げられるようにならなければならない。

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それにしてもPAP90万というのは、無視できない数字だ。

「100」という数字は、同じ動作を100回以上繰り返せば体勢が崩れてくるという理屈に拠っている。100球を超せば疲労によってフォームが崩れ、肩肘に負担がかかりリスクが高まるのだ。

このリスクは削りようがないが、少しでも投手の負担を軽減するために、

・キャンプからの投げ込みを軽減する 
・中6日のローテの間の球数も軽減する 通常、6日あればNPBの投手は1回は投げ込みをするが、それを廃止する
・試合前の投球練習、いわゆる「肩を作る」もやめる
・ベンチ前でのキャッチボールなど、無駄な投球動作も一切廃止する
・マウンドで7球程度を投げるだけで「肩が作れる」ような投手を目指す

その上で投手はMRIやエコーなどの検査を受けてコンディションを維持する必要があるだろう。

桑田真澄コーチの取り組みは、実行するにあたっては様々な障害に阻まれると思うが「完投135球」は本当に実現するだろうか。


2020年石山泰稚、全登板成績【ホールド相当の引き分けが8つ】

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