ホリエモンは、BCリーグ武蔵ヒートベアーズに関わるようだが、それ以外にも独立リーグに関与しているという話がある。野球が好きなのだろう、。
ライブドア球団を持っていたら、今年で17シーズン目になる。どんなチームになっていたかちょっと興味深いが、それまでに手放している可能性もあるだろう。

ホリエモンという才人は、いわゆる「新自由主義者」ではないようだ。橋下徹などと近い部分もあるが、ユニクロなどの低賃金での社員の酷使には批判的だし、企業の市場価値だけを求める動きとも少し違うように思う。

ただ、ホリエモンは「正規のルートではなく、自分が考えた独自のルートで大きな成功を収める」というやり方で、のし上がってきた。勉強をろくにしないで東京大学に入ったのもそうだし、ライブドアを大企業にしたのもそうだ。そこから経済界に進出しようとしたが「正規のルート」でないことがエスタブリッシュメントに嫌われ、陥れられて失脚した。

以後は「論客」的な立場にいるが、新型コロナ禍に関しても独特なことを言っている。
ホリエモンは別に難しいことを言っているわけではない。新型コロナという病気の特性を知って、それに対応して生活するならば、過度に恐れることもないし、経済を極端に縮小させることもない、と言っているのだ。

マスクを強制したり、飲食店に時間短縮や休業を強制するのはやりすぎだ。よくわからずにコロナをむやみやたらに恐れる馬鹿のやることだ、と言っている。

それは正しいのかもしれないが、世の中にはホリエモンのように「実態が見えていて、どうすればいいかわかっている」人だけが生活しているわけではない。
いわゆる情報弱者は今に至るも新型コロナの実態を知らないし、貧困で感染症対策どころではない人もいる、あるいはコロナ禍の規制に単純に反発して、これ見よがしにマスクを外したり、大声で騒ぐ輩もいる(日本には少ないが)。そういう人たちも巻き込んだ社会で感染を抑制するためにはある程度の規制が必要だ。
端的に言えば、ホリエモンは「俺のようにやりゃいいんだよ、バーカ」と言っているわけだが、能力、知的レベルの差があったり、情報弱者だったりして、ホリエモンと同じようにできない人もたくさんいるのだ。

「俺と同じようにやればうまくいくのに」は、新自由主義者の基本的な考え方だ。その点ではホリエモンもそうだろうが、この人たちはいろんな事情で「そうできない人たち」について思いが至らないことが多い。そういう人に手を差し伸べるのではなく「バーカ」というだけである。

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新自由主義がうまくいくのは、これまでの経済のルールの盲点を突いたり、制度の矛盾を衝いたりして、収益を上げるからだ。ある意味で「カテゴリーキラー」のような動きをするから大きな成功を収めるのだ。
それによって、ビジネスそのものが進化するのは間違いないが、一方でこれまでにない惨めな敗北者も生んでしまう。

安倍晋三なども新自由主義の影響を受けているが、新自由主義的な政治家が政権を握ると、貧富の格差が広がるのは基本的に「俺たちと同じようにやりゃいいんだよ」と政治をしているからだ。心の底には、それができない人に「バーカ」と言っている部分がある。少なくとも社会的弱者の救済を最重要なこととは思っていない。

ホリエモンが球団を持っていれば、ライブドア・フェニックスは大成功を収めた可能性はあるが、100年一日のごとき他球団の動きを「バーカ」と蔑むことで、リーグの崩壊を招いた可能性もあるだろう。



2018~20年山﨑福也、全登板成績

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