東京オリンピック野球競技の日本ーアメリカ戦の前に、TBSはいろんな地域の野球少年や指導者などの声をあつめた。子どもの中には「侍ジャパンで元気をもらった」とか「勇気をもらった」みたいなのがあった。「こんなんいるか?」といっつも思っているのだが。
民放はこうした国際大会のときには、この手の「全国の子供が応援している」みたいなのを流すが、このご時世、野球が好きな子供なんてごく一握りだ。こうしたメッセージに何ほどの意味があるのか、理解に苦しむ。

野球に限らずの話だが、民放は、スポーツそのものを伝えるだけでは、視聴率が稼げないと思っている。実際は送り手の能力不足、そして対象となるスポーツへの思い不足なのだが、彼らは「コンテンツの魅力がない」と思っている。
だから、あまり関係のない「感動話」を拵えて、あしらいにしているのだ。くっだらないと思う。

この勝負に純粋に興味があるファンにとっては、試合の前に歯の浮くような「美談」を見せられるのは、邪魔っけでしかない。興を削がれること甚だしい。

日本ーアメリカ戦の解説は宮本慎也で、地味ながらしっかりした解説をするから、放送は浮ついたものにはならなかった。先発バズは剛速球だが「変化球がストライクが入らないので、速球に的を絞れる」など的確な解説をしていた。
TBSの初田啓介アナは、二塁打に「ホームラーン」と叫ぶなど、例の調子ではあったが、変なドラマを作ったりしないので聞きやすかった。
その前のテレ朝の伊藤隆佑アナは、試合の最中も「日本の子供たちのために」と言っていたが、お前ら、子どもの野球なんか見てないだろ、と言いたくなった。
日本テレビのスポーツアナは、かってに「物語」を作って、滔々と謳いあげるが、こんなんで一度も感動したことはない。自己陶酔して許されるアナは古舘伊知郎だけだ。

昨日の試合に「子ども」「元気」「勇気」「感動」などの「お子様ふりかけ」は全く必要なかった。
ただただ素直に伝えるだけでよかったのだ。もちろん「凡戦」もあるだろうが、過剰な演出はコンテンツの質をさらに下げるだけだ。

これからさらに盛り上がるだろうが、テレビは試合の邪魔をしないでほしい。

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大島康徳、チーム別&球場別&選手別アベックHR数|本塁打大全

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