Sponsored Link

スイスで奮闘中の21歳MF鈴木冬一が語る、日本とのサッカーの違いや初の海外挑戦「Jリーグでは味わえない感覚でした」

1
今年1月にスイス1部のローザンヌ・スポルトへ完全移籍を果たした鈴木冬一。高卒1年目から出場機会を掴んでいた湘南ベルマーレを飛び出し、初の海外挑戦を決断した21歳は、異国の地でどんな経験をしているのか。スイスと日本のサッカーの違いや、ピッチ内外の生活についても話を訊いた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0311badc96c6658aa11b875d260dd81a63388911

スイスと日本のサッカーで一番大きな違いは?


2
―今年の1月にスイスに渡りました。チームにはすぐに馴染めた?

「初めての海外生活で戸惑いもあり、ヨーロッパの環境に慣れるのに1か月ぐらいかかりましたね。移籍のタイミングが、シーズン途中からだったのですが、チームメイトもすごく温かく迎え入れてくれました。アニメとか食事とか日本に興味があるチームメイトが結構いて、話かけてくれて、馴染みやすかったですね。日本文化がそのきっかけとなり、ありがたみを感じました(笑)」

―チームメイトとは早く打ち解けられたようですね。

「そうですね。一緒にプレーをしてから、さらにグッと距離が縮まりました。ただコミュニケーションの面で、こっちで生活しながらプロとしてプレーするのに言葉の壁は高いなと思いました。

―チームのスタイルにフィットするのには時間がかかった?

「早かった方だと思います。昨シーズンの監督が、僕が加入して最初の試合からベンチに入れてくれて、途中出場で試合に出してくれたので、それほど時間はかからなかったですね」

―スイスへ渡って、最も苦労した点は?

「作戦ボードや映像を見て、自分に要求されている事は理解して落とし込むことができたんですが、こうして欲しいと自分の要求をチームメイトに伝えたり、監督にここはどうしたらいいんだという細かいところを聞いたりすることができなかった。そこがすごく苦労しました。でも、サッカーは言葉が全てではないと思うので、柔軟にプレーして、改善していけた。難しさを感じながらも、上手くプレーできたと思います」

―すぐにレギュラーの座を勝ち取り、コンスタントに試合に出場していました。

「最初から試合に使ってくれたのが、大きかったです。サッカーのやり方や戦術面などが日本とは違いますが、これまでの海外遠征などで慣れていたので、馴染むのは比較的早かったかなと」

―スイスと日本のサッカーで一番大きな違いは?

「やはり激しさですかね。ヨーロッパの上のリーグに行ったら、もっと凄いと思いますけど、プレッシャーのかけ方や距離感がまったく違う。一つのボールに対する執着心の強さや、『ここに出せよ』『今のは走れよ』と味方に対する要求する姿勢は、Jリーグでは味わえない感覚でした」

―通用した部分と足りなかった部分は?

「足下のテクニックは、少なからずチームにないものやリズムを生み出していると思います。それが良い影響になるのか悪い影響になるのかは自分次第ですけど、試合に出してくれているのは、僕の技術やテクニックがチームに対して良い影響を与えているからだと思うし、そこは自信になっています。難しかった部分は、来る前にそれほど筋トレをしていなかったので、背中を向けた時の海外の選手の間合いの詰め方とか迫ってくるプレッシャーが強くて、まだまだだなと。もっと身体を一回り大きくしなきゃいけないというのはすごく感じました」

―この10か月でフィジカル面でも自信がついた?

「そうですね。チーム練習でも個人的にも筋トレをやって、だんだん自信がついていきました」

―3月のザンクト・ガレン戦で初ゴールを含む2得点を決めました。チームメイトやファンの見方が変わったりはした?

「その試合ですごく変わったということはないですね。1試合1試合の積み重ねで成長できたと思っていますし、味方の選手たちもそれを感じてくれていて、徐々に信頼を得ていった感じですね」

―初ゴールの時の気分は?

「すごく嬉しかったですし、新しいチームでゴールするのは新鮮でした。勝利した後のロッカールームの雰囲気はすごく良かったので、あの感じをまた味わいたいです」

―2年目に入って監督が代わりました。求められる役割も変わった?

「監督が代わったので、チームも戦術も変わりました。攻撃でも守備でも貢献するという僕の役割は変わらないですけど、昨シーズンはクロスを多く上げることを求められましたが、今シーズンはドリブルで仕掛けていけと言われています。初めは4バックだったんですが、今は3-5-2でやっているので、左のウイングバックが主戦場ですね。このポジションでいかに違いを出せるか、チームに違うリズムをもたらせるかを意識しています」

―1年目とは違う余裕などはある?

「それはすごくあります。ただ、2年目という事で、チームに対してもっと何かしなきゃいけないという責任も感じますし、自分に対してのプレッシャーはしっかり掛けられているというか、掛けないといけないと思っています」

―ファンとの距離は日本と比べて違う?

「昨シーズンはコロナの影響で観客は入れませんでした。でも、前日の練習にファンが来てくれて、外で応援してくれたりはしていました。日本でもサポーターの人たちが練習を見に来てくれたり、支えたりしてくれましたが、こっちは距離感や熱量がすごいなと感じましたね」

―今シーズンは観客が戻ってきました。

「まだ制限はありますが、一番多かった時で1万2000人ぐらいのファンが入って、海外独特の雰囲気をやっと感じることができました。それを毎試合味わえるのは、すごく力になります。アウェーチームのサポーターの雰囲気もチームによっても違うは面白いですね」

―スイスでは日常が戻ってきている?

「スイスでは2か月くらい前から(コロナ対策の)制限が緩和してきていて、休日はどこに行っても人が多いですし、マスクを付けている人も少ないですね。場所によっては証明書が必要だったり、例えばスーパーマーケットのような密室のところは必ずマスクをしなきゃいけなかかったりするんですけど、それ以外の環境に関しては戻りつつあるなという感じです」

―オフは何をして過ごしている?

「基本、家で何もしてない時の方が多いですね、街並みが綺麗なので気分転換に散歩に行ったり、日本食のレストランに行ったりはしますけど。いまスイスでプレーしている日本人は3人いますが、湘南で一緒だった若月大和選手(シオン)は電車でも車でも1時間ぐらいの距離なので、2か月に1回ぐらいのペースでローザンヌに来て一緒にご飯食べたり、買い物に行ったりはしています。川辺(駿)さん(グラスホッパー)とは、1回試合をして、それからたまに連絡を取り合っています。なかなか予定が合わずに、プライベートでご飯行ったりはできていないんですけど、今後はしていきたいですね」

―チームメイトや監督とは何語でコミュニケーションを取っている?

「ローザンヌはフランス語圏なので、チームとしてはフランス語が共通言語になっています。ただ、フランス語を話すのはまだ難しさもあるので、自分は英語を話しています。何か重要なことがあれば英語で言ってもらうようにしています」

―試合前の戦術確認などもフランス語?

「去年はフランス語だけだったんですけど、今シーズンは英語しか話せない選手が増えて、監督が大事な部分は英語でも言ってくれるので、何とか理解しています」

―ローザンヌは過ごしやすい?

「そうですね。暮らしやすいです。スイスの人たちは温かいので、何も不自由なく生活できています」

―食事も不便なく?

「毎日、夜は自分で日本食を作っています。面倒な時もあるんですが、食に関してはやれています。もともと、料理は出来る方でしたので。チームで朝食と昼食は出るんですけど、昼が出ない時は日本食のレストランに行ったりしています」

―今後のキャリアのプランを聞かせてください。

「もし自分がもっと上のリーグのクラブに認められて行けるとなれば、早ければ早いほど良いとは思います。ただ、スイスもすごく良いリーグだし、学ぶことも多い。他のリーグに行っても活躍できる準備をしてから、行きたいですね。今シーズンは(開幕9試合で)まだ1勝もできず厳しい状況が続いています(編集部・注/インタビュー後の第10節に初勝利)。チームが良くなければ、自分に対する評価もよくならないと思うので、今はローザンヌで勝ちたいし、そこで成長したいと思っています」

―どんなところを磨いていきたい?

「守備では、失点をさせないように貢献しないといけないし、攻撃では直接的にも間接的にもゴールに結びつくような役割を果たさないといけない。そこはもっとレベルアップしないといけないと思っています」

  ―最後に、今シーズンの意気込みをお願いします。

「4分の1が終わって、まだ1勝もできていない苦しい状況です。ただ、1勝できたら殻が破れると思います。そこで、チームを波に乗らせるのが自分の責任でもあると思います。まずは、1勝できるように全力を尽くし、そこからは一歩一歩進んでいきたいですね。1位になれば、チャンピオンズ・リーグにも出場できますし、その目標は常に持っておきたいですね」
3
次節、9位ローザンヌは23日に3位ヤングボーイズと対戦する。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

    • 1
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 07:10
    • ID:jYJiwcL50
    • そういやスイスって徴兵制あるし選手はそれでサッカーキャリア犠牲になるのかね?
      韓国みたいに優勝したりさえすれば抜け道ができたりするのかね?
    • 2
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 07:49
    • ID:7Pn9U3dk0
    • 日本サッカーは海外に行ってから筋トレの重要さに気がつくってパターンがずっと続くね
    • 3
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 08:14
    • ID:KZHLyaW.0
    • ※2
      お前がそういう選手だけ記憶して喜んでるだけだろ
    • 4
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 08:41
    • ID:SZp.XBbJ0
    • ※2は日本のサッカー選手を間近見たことないんやろなあ
      直接話せる機会あったから見たけどめちゃめちゃ筋肉あってびっくりしたわ
    • 5
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 08:51
    • ID:7Pn9U3dk0
    • ※4
      アスリートなんだから当たり前だろ、一般人と比べるなよ
      海外選手と比べるとまだ細いよ
    • 6
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 11:24
    • ID:C4n3AvK50
    • ID:7Pn9U3dk0

      単純に日本人と戦う時と外国人と戦う時で違うって言うのを肌で感じただけだよ。
      人は苦労をしないと何が足りないか明確にわからないからね。
      フィジカルもそうで具体的にフィジカルの何が足りないのか身体の使い方とかはプレーしてみないとわからないものだよ
    • 7
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 12:14
    • ID:rXYDAu9A0
    • ※4
      すぐマウントとっちゃうの障⚫者だと思う。
      どう考えても外人と比べてヒョロヒョロやんけ
    • 8
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 13:13
    • ID:d.B29.zi0
    • 日本時代の倍近くゴールとアシスト決めてるし
      Jでは味わえない爽快感とかあるんだろうなとは思う
    • 9
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 19:09
    • ID:QT.wtU.R0
    • リーグが違うんだから当たり前の話では?
      どっちが上か下かの話じゃないよね。
    • 10
    • Posted by
    • 名無し
    • 2021年10月21日 19:57
    • ID:elns8HUd0
    • >>6
      中田英なんかは二の腕の筋肉を鍛えていたもんね。
      後ろや横から来る敵を制するための手の使い方が抜群に上手かった。
コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット

最新記事
記事検索
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
おすすめRSS
ページアップ