Sponsored Link

古橋亨梧、上田綺世の不発には理由がある。日本代表は「トップは誰にすべきか?」に明確な解答が出ないままW杯へ

1
「森保ジャパンの9番(トップ)は誰にすべきか?」

日本代表の欧州遠征・アメリカ戦、エクアドル戦を終えて、その問題は解答が出ず、むしろ混迷を深めている。

アメリカ戦で先発した前田大然は、ボールこそ収まらなかったが、相手を追い回し、カウンターを発動させていた。エクアドル戦で先発した古橋亨梧は、ポジティブな点を探すのが難しいプレーだった。2トップの一角に近かった南野拓実は、ポイントに入る動きはさすがだったが、決定的仕事はできていない。また、後半から途中出場した上田綺世は、状況を改善させ、可能性を感じさせたが......。

はたして森保一監督は、「トップは誰に」の確信を持てたのか?

https://news.yahoo.co.jp/articles/81a28d54853f3f2c2c1faa0e95502d98bf1bc494

上田投入で多少ボールは収まったが...


2
プレッシング&カウンター。それが1.5軍で不調を極めたアメリカ代表に偶然はまり、エクアドル戦も二匹目のドジョウを狙ったのだろう。だが、あまりに浅はかだったと言うべきだ。愕然とすべきは、活路がそこしかない点にある。

スコットランドリーグで得点を量産する古橋は、エクアドルのビルドアップを分断しようと駆けまわっていた。しかし、日本のバックラインは相手のFWとの駆け引きに後手に回ってラインを上げられず、中盤も前線を孤立させ、プレスは空転。エクアドルの選手はひとりひとりの技術、経験、度胸が豊富で、パスコースを消しても持ち上がられてしまい、そのたびに古橋は徒労感を覚えたはずだ。

前半31分、トップが機能していない象徴的シーンがあった。自陣にいた古橋は味方がかき出したボールを受け、チームのお題目であるカウンターに入ろうと、必死にドリブルに入っている。しかし、センターラインを越えたあたりで3人に囲まれて、孤立無援でボールを奪われてしまった。

平たく言えば、古橋はプレーリズムを狂わせていた。結果として千載一遇の機会とも言える、ショートカウンターからの三笘薫のパスに合わず、エリア内でパスカットしての左足シュートもGKに止められた。しかし、それをもって彼に不合格の烙印を押すべきなのか。

高いレベルでは、この程度のプレスなど通用しない。それを戦いの基本軸にしている点で、攻め手は限られる。森保監督の戦術システムにおいては、「トップのよさを引き出す」という工夫が見えないのだ。

古橋も、あるいは南野も、「『真ん中をやらせろ』と言われているから、真ん中をやれ」と言わんばかりの起用で、彼らを生かすためのアイデアはなかった。もし鎌田大地、久保建英などのパサーと組み合わせ、前を向いてボールを触らせられたら、古橋も南野も怖さを出せただろう。しかし、援軍を望めず、2トップ同士でのパスも、焦りからか、ことごとく噛み合わなかった。

この不具合は、古橋や南野よりも指揮官の責任だろう。

もっとも、森保監督としては「だからこそ古橋も、南野もサイドで使ってきた」という言い分があるだろう。それは大迫勇也待望論につながる。「大迫であれば、たとえゴールはできなくても、周りのよさを出す」というのが森保監督の解答で、実際に伊東純也など、サイドの選手の得点が増える傾向にあった。

その点で、エクアドル戦で唯一解答に近づいたのは上田か。

後半、フィジカル的に強さがあってボールも収まる上田が入ったことで、起点が作れるようになった。例えば上田が落とし、南野が三笘につなげ、折り返しを南野が際どいシュート。バックラインからのロングボールに対してもディフェンスを背負いながら胸トラップで起点を作るなど、4分6分で、やや分が悪いヘディングもつなぐことができた。

上田の真骨頂は、鎌田が途中出場でトップ下に入ってからだろう。鎌田が左の相馬勇紀にパスを入れ、クロスをヘッドで合わせている。やや下がりながらだったために枠に入れられなかったが、ゴールゲッターとして敵に脅威を与えた。後半33分には、鎌田の絶妙なスルーパスを中央で呼び込み、どうにか堂安律につなげると、左足で巻くシュートはブロックされるが、上田は跳ね返りをヘディングで狙った。

ただし、ゴールには届いていない。

森保監督は、忘れられない恋人にすがりつくように大迫を求め続けてきた。他の何人かの選手起用も、執念の匂いがする。本大会メンバー発表でサプライズがあるとすれば、大迫の復帰だろう。

しかし、古橋を「戦術に合わない」と切り捨てるべきではない。戦術バリエーションを多く持つ監督だったら、彼を切って捨て、今の大迫を拾うことはしない。サッカーがゴールを奪い合うというスポーツである原則上、トップの選手はゴールの力が衰えたら怖さが消え、周りのよさを生かす、という仕事も高いレベルではできないからだ。

苦肉の策としては、鎌田のゼロトップはあるだろう。ゴールに迫るすごみが出てきたし、プレークオリティは申し分ない。今の日本の選手の顔ぶれだと、どんどん人が入れ替わる戦い方もできるだろう。ただ、トップがいることで相手のバックラインを消耗させ、心理的精神的な駆け引きで有利に持ち込めるのも事実で、やはりストライカーが体を張り、ゴールを脅かす形は持っておくべきだ。

結局、明確な解答が出ないまま、森保ジャパンはカタールW杯に突っ込むことになる。
3
日本代表は今後、カタール・ワールドカップ直前に行なわれるカナダとの強化試合を経て、11月23日にドイツと本大会初戦を戦う。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

    • 1
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 07:12
    • ID:2YgWea1a0
    • 結局は大迫に助けてもらうんだな
    • 2
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 07:50
    • ID:H00unrvZ0
    • 人にはボール出すけどスペースにボール出さないから古橋がいきないのは当然
      でも古橋ってシャイだからそういうボール出せってあんま要求出来てないんじゃないの?
    • 3
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:08
    • ID:g5q0myRE0
    • >>2
      大迫大然上田もシャイだけどな
    • 4
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:13
    • ID:0IV7ekxl0
    • 古橋はウッチーの番組で代表に最近選ばれるようになったから前からいるメンバーと馴染めないようなこと言ってたな。おとなしすぎんだよな。
    • 5
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:30
    • ID:8gu8.hup0
    • 実質ワントップで一人で駆け引きしたって相手DFぴったりついてるしロングパスで裏抜けできるわけない。
      南野はボール貰いに下がるし、そこまで古橋も下がるわけにはいかないし。
      こういうの修正するのが監督なんだがなあ
    • 6
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:35
    • ID:uv3v3Gde0
    • 「ポイチメモ」に載ってないからだろ

      それがすべて
    • 7
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:43
    • ID:8wCELHeE0
    • 前半前田で後半上田が正解かな
      原を試してみたかった・・・
    • 8
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:45
    • ID:OeXIXhU50
    • 『スポーツ記者』とか一番胡散臭い奴
    • 9
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 08:56
    • ID:tSE1G6aH0
    • ノーゴーラー上田はいらんな
    • 10
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 09:26
    • ID:W3SpStEx0
    • 体張らない、守備下手、流れてスペース作るわけでもないというのに2回あったチャンスを仕留めきれないなら選外もやむなし
    • 11
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 10:46
    • ID:XRq2uQjV0
    • 鎌田も前の選手が居ないと機能しないだろ
      戦術もなくポン置きだけならなおさら
    • 12
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 10:48
    • ID:XRq2uQjV0
    • >>5
      古橋を代表で活かすにはツートップよな
    • 13
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 11:20
    • ID:oUax9PCS0
    • 高い位置でプレスからショートカウンターか2列目のアイデアに頼るのが攻撃の全て
      ボール持った時の約束事はないから、ドイツ、スペイン相手ならいいけどコスタリカでつまづきそう
    • 14
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 11:23
    • ID:oUax9PCS0
    • >>5
      一人がニアに大きく動いてマーク引きつけて空いたスペースに鎌田がはいるとかSH入るとか、そう言う連動した動き見たいな
      4-2-3-1は守備時は4-4-2になって2CB見ることもあるから、実質鎌田、南野はシャドーストライカーとカウントしていいと思う
    • 15
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 11:26
    • ID:En.s.r0K0
    • >>10
      それで言うなら他にもちらほら。
    • 16
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 11:56
    • ID:qOFhP1tu0
    • >>14
      浅野がワントップで機能してたチュニジア戦とかそんな感じだったな。
      指示されてたのかってくらいしつこく浅野がニアで潰れ続けたおかげで、
      トップ下の鎌田と左の南野が飛び込むスペースが生まれて決定機が作れた。
      まぁ鎌田が決定機外して結局負けたから印象残ってない人多いだろうけど。
    • 17
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 11:58
    • ID:2NSodbXj0
    • チャンスはあったし、シュートが下手なだけ
    • 18
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 13:18
    • ID:J0OW2oGk0
    • 裏抜け専が35分のあれに反応できない予測できないのなら存在価値なし
      実力不足
    • 19
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 13:23
    • ID:VK.QtbFz0
    • 相手のマーク引きつけたりニアで潰れ役になったりして二列目を生かす役割なら古橋より大然上田大迫のほうがフィジカル的な理由から適してる

      でもエクアドル戦でスタメン南野じゃなく鎌田だったらもうちょっと別の戦い方が見れたんじゃないかという気がしてならない
    • 20
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 13:49
    • ID:ovMA5qOw0
    • プレスに期待して前田って明確な解答はあるだろ
    • 21
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 18:31
    • ID:cXHy3N780
    • >>4
      コミュニケーションとって、思考を共有するのも選手の仕事の一つだからな
    • 22
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 18:48
    • ID:b8tl76JS0
    • キヨゴは2TOP向きじゃないのか
      南野の使い方からして森保の起用には不満がある
    • 23
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月29日 22:52
    • ID:TcqOGYGn0
    • 鎌田の場合はトップがどんなタイプでも順応できるだろ。問題は古橋だと思う。三笘との関係は成功はしなかったが悪くはない。久保とか鎌田の様なパサーを用意する事が大事。上田の場合は南野とか堂安でも良い気がするね。
    • 24
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年09月30日 00:31
    • ID:xqt7dMkM0
    • 古橋と上田を一緒に使ってほしかった
      あれじゃ古橋が可哀相だわ
    • 25
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年10月02日 14:09
    • ID:Yk3iwZGO0
    • >>1
      今の大迫に助けられるだけの力はないよ
      森保以外知ってる
    • 26
    • Posted by
    • 名無し
    • 2022年10月02日 14:10
    • ID:Yk3iwZGO0
    • >>9
      オナイウの方が格上
コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット

最新記事
記事検索
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
おすすめRSS
ページアップ